小学3年生 文章問題の苦手なJ君ですが、宿題で文章問題が出ると
「わからんから明日、学校(支援学級)でやるわー」
と言うのですが、この日は文句も言わずに、黙々と進めていました。
Yさん「すごいなー!」
J君「だって最後のひっ算は全部引き算やったから、きっと他も全部引き算やと
思ってやってるねん」
Yさん「文章は読んでみた?」
J君「読んで無い!読んでもわからんしな!でも オレは引き算って決めて
やってるから、大丈夫やでー」
と、得意げに話してくれたそうです。
これも1つの「オレのルール」
学校でも 何算するかわからない時は、足し算、引き算、掛け算、割り算
このすべてを、やってみてしっくりくる答えを選んで書く!
この様な事を、コツコツ時間をかけてやっていたそうです。
本当は、文章を読んで理解するのが 正しいやり方なのですが、J君は
問題の意味が解らないので、自己流で!J君らしい「オレのルール」です。
このルールは至る所で発揮されます。
算数の図形問題で、円の直径、半径、などの「何センチでしょう?」
この様な問題にになると、必ずプリントの円をそのまま、物差しで測ります。
先生は「プリントやテストに書いてる円は、実際の長さより小さいから
物差しで測らずに、計算して出すんだよ」
そういわれ、1問目は計算で出す。
しかし、2問めは物差しで測る・・・
先生が同じ様に説明・・・三問め・・計算
4問め・・物差しで測る・・・この繰り返しです
「何センチですか?」と聞かれたら必ず、物差しで測る
宿題の時も物差しで測ってました。
J君「2センチ8ミリ!」
Yさん「実際の長さじゃないよーちゃんと計算してー」
J君「先生と同じこと言うな! 知ってるよ 計算したらいいんやろ?やるでー」
Yさん「なんで物差しで測るん?」
J君「問題には何センチですか?って書いてるから!測ってみないとわからんやろー」
これもJ君の「オレのルール」です。
通ってる病院では、先生とYさんが話をしていると、いつもは、ベッドの下に
もぐったり、持参したお気に入りのおもちゃで遊んでいたり、突然大人の話を
中断しに来たり、毎回 マイペースなJ君なのですが、この日は診察室に置いてる
ホワイトボードに自分で、4桁×3桁のひっ算を 大きく書いて計算していました。
先生も、その様子をじっと見ておられます。ホワイトボードなので、行もマスも無く
書いてる間に微妙にズレてしまいます。しかし、最後に縦に足していく時に
自分の指で、たどりながら下していき、パーフェクト!
※ 数字の大きさがアンバランス
※ 段々とズレていく
これが今のJ君の特徴ですが、J君自身がこの事を良くわかってるので、
最後の足し算は、指でたどる!
これも、「オレのルール」のひとつです。
見ていらっしゃった先生も、このルールを褒めて下さって
大満足で、帰宅したJ君でした。
Yさんは、この「オレのルール」もいいのかなぁ~?と思うようになったそうです。
金、土、日 の宿題にもこのルールとこだわりが発揮されます。
J君は元々 宿題に対して「こだわり」が強い為、特に金曜に出される宿題は
金、土、日 の3日間分です。月曜から木曜に比べると、クラスからのものも
支援学級からのものもあり、普通より宿題が多くなってしまいます。
しかし、出された宿題は その日にする! そんなこだわりも持っているため、
支援学級の方では、先生がページ別に 金曜、土曜、日曜 と分けて
記入して下さってたようですが、土曜日はスイミング、日曜日にお出かけの日が
あったりすると、今度はこの 分けて記入された通りにしなければならない!
と・・こだわりが・・・色々な苦しい「くずせないこだわり」を経験し、
たどり着いた方法があります。
★ すべての宿題を 自分で振り分ける!
★ 金、土、日 の予定を自分で考えて、自分で振り分ける!
自閉症のお子さんの特徴で、自分で決めたことは守れる子!
こうやって 少しずつですが、自分でする「自立」と、崩せない「こだわり」
何とか工夫して、少しでも日々の困難を 和らげます。
大変な日々の方が多いけど、アイデア1つで改善出来る事もあります。
そんな毎日を、J君とYさん 親子で前向きに過ごしていらっしゃいます。
毎日 複雑な思いで過ごしているJ君の胸の内を 伺えるお話も
お聞きしましたので、次回にアップしていきます。
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