発達障害の社会人１年生　 I先輩が消えた！２日目の火曜日は？

この記事を初めて読んで下さる方へ

I先輩が、有給申請を勝手に出して、会社に来なくなった

２日目の火曜日。

朝、エリアに行くと、やはり昨日と同じく

周りのベテラン社員たちが

「I君、今日も休みか？J君大丈夫か？

今週の木曜日、出荷多量やろ？」

今週の木曜日は、出荷量が多く、今日と明日で

やり切らないといけないスケジュールになっていました。

エリア部長も、このスケジュールは、I君も知ってる事なので

まさか、このタイミング来なくなるなんて、

思っても無かったんです・・・

J君は、昨日の今日で、しかも多量の出荷。

かなり焦っていました。

昨日の片づけの様子が、まだ頭から離れないJ君は

そんな不安な気持ちで朝の準備を始めていました。

エリア部長

「J君、準備はできるな？何かあったらすぐ呼べよ。」

何だか昨日とは口調も違い、

何度もJ君の機械の所まで来て、様子を見たり

進め方のアドバイスや、フォローに入ってくれました。

J君も、なるべく１人で進めようと、必死です。

J君が必死になりすぎると、ゾーンに入ってしまい

周りが見えなくなります。

お昼休みになり、休憩の合図音が鳴ります。

エリア全員が休憩に行くと、誰も居なくなるので

●全社員は、12：00~12：50

●エリア部長は13：00~13：50

エリア部長だけ、休憩時間が違います。

他の社員は、それぞれキリの良い所で休憩に

出ていきます。

遅くても、12：15までには、部長以外誰も居なくなる

のですが、部長が周りを見渡すと、何と！J君がまだ１人で残っています。

部長

「J君、休憩やで！もう、12：20やでー」

部長

「休憩は、取らんとあかん。もう、時間無いし

取りあえず、行って来い。皆はさっさと行ったで

１人で、無理するな」

しぶしぶ、休憩室へ行ったJ君。

休憩室では、中々来ないJ君の事を

同じエリアのメンバーは、心配していました。

皆から、「お母さん」と呼ばれてるパートさんが

「やっと来たーー！大丈夫？もう休憩時間ないでー」

他の社員

「そんなんじゃ、休憩にならんやん・・・

体壊すぞ～～」

そう言って、食べるだけ食べて、さっさとエリアに戻ったJ君。

部長

「もう戻って来たんか？」

１人で、何とかしなくてはいけない！！

そんな気持ちの強いJ君。

確かに今、このエリアでJ君の機械を扱えるのは

J君と部長のみ！

J君が１人で焦る気持ちも分かるけど、この状態が

毎日続いたら、精神的に潰れてしまいそうな気がします。

部長

「気持ちはわかるけど、明日からはちゃんと休憩

行ってくれ、J君１人に任せようなんて

思ってないから、大丈夫やで」

部長

「終わらん分は、オレが残って夜勤メンバーとやるから」

部長が休憩に行ってる間に

パートのお母さんが

「J君、休憩もほとんど取らず、いきなり１人で

大丈夫？心配やわ」

I先輩のいる頃は、「常に明るくて、笑いを取る子！」って

イメージだったのですが、今のJ君は笑顔も無く

新入社員なのに、こんな状況に置かれて

かわいそう・・・と思われているようです。